⒈ 協会の理念と目的
スウェーデンハンドセラピー協会(SHTA)は、日本におけるスウェーデンハンドセラピーの普及を目的とし、その教育・啓蒙活動、また「癒し」や「リラクゼーション」、「ふれあいによるコミュニケーション」などに関心を持つ人々への支援、情報共有や交流を通じて、地域社会に貢献することを基本理念としています。
この療法は、医療による疾患の完治を目指す治療行為や施術技術ではなく、タッチングすることにより「ふれあい」と「手当て」による心身の癒しを重視しており、受ける側が「大切にされている」と感じ、タッチングをする側が「相手の感情を感じ取る」ことを核としています。その結果として、安心感や信頼感をもたらし、人と人との心をつなぐコミュニケーションの手段として機能します。
特に看護や介護などのケア現場においては、タッチングを通じた「ふれあい」により、利用者と職員との信頼関係の構築に貢献し、ケアの質を高めると同時に、タッチングをする側自身のやりがいや自己肯定感を育むものとなっています。
スウェーデンハンドセラピー協会は、心と身体の両面に働きかける「癒しの手法」としての療法を通じて、人と人とのつながりを大切にし、教育・普及・実践を通じて社会に貢献することを活動の指針として取り組んでいます。
- 運営の基本方針
協会はその理念を実現するため、次のような運営方針を掲げています。
- 教育活動の推進:各種講座や研修の実施、ならびに各種の資格制度を通じて、スウェーデンハンドセラピーに関する専門的知識と技術の普及と向上を図ります。
- 人材育成と支援:協会は認定インストラクターをこの療法の普及の中核と位置づけ、協会との共益関係(Common Interest Relationship)を基盤として、質の高い人材の育成に力を注ぎます。
- 連携と協働:他の関連団体との協力関係を築きながら、社会全体への啓蒙活動を推進し、スウェーデンハンドセラピーの価値を広く共有します。
- 手技の倫理と姿勢の重視:タッチングにおいては、相手を「かけがえのない存在」として尊重し、心を込めた配慮をもって接することが求められます。これにより、タッチングは単なる技術ではなく、相手を思いやる「心遣い」としての癒しとなります。
- 社会的役割の自覚:スウェーデンハンドセラピーは、身体的・精神的ケアとして、またオキシトシン分泌の促進を通じて、人と人とをつなぐ効果を有することから、現代社会における孤立やストレスの軽減にも資する、意義ある活動であると位置づけられています。